2009年9月4日金曜日

要約すると青春物語になってしまうけれど…… 『赤ひげ診療譚』 山本周五郎

カラフル
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 黒澤明監督で映画化もされているので、山本周五郎の作品でも有名な方ではないだろうか。江戸時代の小石川養生所を舞台にした連作短編。
 簡単に言うと、若いエリート医員である(と自分で思っていた)主人公が、診療の過程で様々な出来事に遭い、医長である「赤ひげ」の大きな影響を受け変化していく物語である。
 当然のことながら、こう簡単に言ってしまうと面白さがさっぱりわからないので、是非読んでほしい。念のために述べるなら、”理想の医師とはなんぞや”とか、”理想の医療とはなんぞや”とかそういう教訓的な物語ではないです。
 個人的に好きなのは、6話目の『鶯ばか』。特に新潮文庫で275ページから276ページあたりは、腹に沁みました。


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