やっぱりキングは長篇作家なんだなと実感する短編集 『夕暮れをすぎて』 スティーヴン・キング

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　久し振りに出版されたスティーヴン・キングの短編集。この『夕暮れをすぎて』は、2008年に出版された原書『Just After Sunset』を二分冊にしもののうちの一冊目。もう一冊は来年の発売らしい。
　個人的に気に入ったのは『ウィラ』。キングが書けば何でも小説になっちゃうね、という意味でキングらしいのが『ジンジャーブレッド・ガール』と『エアロバイク』。キングの凄さというのはストーリーよりも文章なんだな。圧倒的な説得力。

　なお、この短編集に収録された作品のうち、『彼らが残したもの』はエド・マクベインが編集した中編ミステリーのアンソロジー『十の罪業 BLACK』にも収録されている。これは例の９・１１事件を題材にした佳品。