2009年9月17日木曜日

希望と絶望と虚無感と 『ちいさこべ』 山本周五郎

境界の向こう側
境界の向こう側 posted by (C)nonkuri SIGMA DP2


 表題作など4つの中編で構成されている。どれも優れた作品だと思う。まだ、それほどたくさんの作品を読んだわけではないが、山本周五郎はある程度以上の長さを持った作品の方が良さが出ている。

 感想を少しだけ。
 『花筵』、『ちいさこべ』、『ちくしょう谷』と、強い意志を持った主人公が続く中で、最後の『へちまの木』だけは、弱い人間が描かれている。この作品のある意味では放り出すような結末が印象深い。 


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