2010年6月27日日曜日

『「バラの名前」覚書』を読んで思ったこと

ほほえみ
ほほえみ posted by (C)nonkuri EOS Kiss X2 + EF 70-200mm F4L IS


 『薔薇の名前』の著者自身による覚書。作者自身の小説作法のようなものが書かれていて興味深い。

「バラの名前」覚書

 ところで、この本の問題点は、訳者。
 翻訳が間違っているとかそういう問題ではない(そんなことはわかりません)。訳す上での姿勢の問題である。
 親本の翻訳(『薔薇の名前』)に対する訳者の批判がちりばめられている上に、書名に「薔薇」ではなく「バラ」を使用。おまけに、原書にはない訳者の知り合いらしい学者の書いた前文をなぜかつけている。
 本文を翻訳する上で関係のない親本の訳への批判は、自身の論文なりで発表して欲しいものである。読者はエーコの書いた覚書を読みたいのだから。

0 件のコメント: