2010年6月29日火曜日

『いずれは死ぬ身』(柴田元幸 編訳)を読んで思ったこと

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 柴田元幸氏の編訳によるアンソロジー。雑誌『エクスファイア 日本版』での連載(英語で書かれた現代の短編小説を柴田氏が自由に選んで訳すという連載)の後半部分の作品を中心に、様々な雑誌で載せた翻訳を集めたもの。漫画も2本入っていたりしてバラエティー豊か。ちなみに、『エクスファイア』での連載の前半部分は『夜の姉妹団』(朝日文庫)としてまとまっている。

いずれは死ぬ身


 基本的に、何らかの意味で死(喪失・別離・崩壊)という要素を持った作品がラインナップされている。とはいえ、単純に暗いだけの作品は少なく、どことなくユーモアのある作品が多い。『用心棒日月抄』以降の藤沢周平のイメージといったら伝わるだろうか。
 個人的に気に入ったのは『スリ』(トム・ジョーンズ著)と表題作にもなっている『いずれは死ぬ身』(トバイアス・ウルフ著)。

 収録作品はつぎのとおり。
『ペーパー・ランタン』……スチュアート・ダイペック
『ジャンキーのクリスマス』……ウィリアム・バロウズ
『青いケシ』……ジェーン・ガーダム
『冬のはじまる日』……ブリース・D'J・パンケーク
『スリ』……トム・ジョーンズ
『イモ掘りの日々』……ケン・スミス
『盗んだ子供』……クレア・ボイラン
『みんなの友だちグレーゴル・ブラウン』……シコーリャック
『いずれは死ぬ身』……トバイアス・ウルフ
『遠い過去』……ウィリアム・トレヴァー
『強盗に遭った』……エレン・カリー
『ブラックアウツ』……ポール・オースター
『同郷人会』……メルヴィン・ジュールズ・ビュキート
『Cheap Novelties』……ベン・カッチャー
『自転車スワッピング』……アルフ・マクロフラン
『準備、ほぼ完了』……リック・バス
『フリン家の未来』……アンドルー・ショーン・グリア  

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