2024年12月31日火曜日

TourBox Elite Plus の感想など

TourBox Elite Plus
α6700 & VILTROX 27mm F1.2 E

 TourBoxシリーズ唯一の iPad 対応製品である「TourBox Elite Plus」を購入してみました。 

 TourBox シリーズは、いわゆる左手デバイスです。それなりに歴史と定評のある製品でどんな製品かは多くの方が知っていると思うので詳細は省きますが、主としてお絵描きする人に使われている印象です。
 左手デバイスとしては少々高いのですが、思い切って購入してみました。

 ハードウェアとしては、筐体はトランスルーセントのプラスチックで安っぽくはありますが、ノブやホイール等の作りはしっかりしています。サイズの割に重量感がありますが、使用時のずれを防止するため、オモリが入っているのでしょう。高級キーボードなんかでもよくありますね。個人的には持ち歩けるようにオモリなしか外付けできるような形がありがたかったですね。
 耐久面は実際に使ってみないとわかりませんが、悪い評判は聞かないのでおそらく問題ないでしょう。
 なお、ホイール類についてはハードウェアとしてはクリック感がないタイプですが、バイブレーターが内蔵されていて、擬似的にクリック感を出すことができます。これはとても良い仕様だと思います。

 iPad で使う場合は専用の設定アプリをダウンロードして設定します。ファームウェアアップデート等もこのアプリから行えます。
 この iPad用設定アプリには、最初から Clip Studio Paint と Procreate 用プリセットがついてきます(もちろんカスタマイズ可能)。これ以外のアプリを使用する場合は自分で手動で設定することになります。おそらく、iPad 用の DaVinci Reisolve でも使えそうです(私はは Speed Editor があるので使いませんが)。
 なお、OSの制約かと思いますが、PC等のようにアプリによって自動的に設定を切り替える機能はありませんし、マクロも使えません。

 実際に Procreate と Clip Studio Paint で使ってみたところ、Procreate 用のデバイスとしては未完成、Clip Studio Paint 用としてはかなり良い、というのが結論です。
 Procreate 用としては次の点でかなり使い勝手が悪く、現状ではまったくお勧めできないです。Procreate側の仕様の都合で対応できないのかもしれませんが、価格も踏まえると、Procreate対応として売り出すのには問題があるレベルかと思います。YesWord X-18 とか、AOIKTYE Procreate で十分です。

  • 画面移動ができないため、結局、画面タッチが必要
  • 画面の回転の中心を選べず、デフォルトだと変なところを中心に回転する(回転操作は内部的にはタッチパッドをシミュレートしている?)
  • ぼかしツールなど割り当てることができない機能も多い

 一方、Clip Studio Paint 用としては、かなり完成されたデバイスかと思います。個人的には少なくとも指での画面タッチは不要なレベルですし、かなり操作効率も良さそうです。ショートカットキー操作に習熟した人が普通のキーボードを使うより効率的かと問われると微妙ではありますが、私のような素人には効率UPに繋がるように思います。ただ、Clip Stuido Paint には Tabmate 2 という専用の左手デバイスが安く販売されているので、これと比較するとどうなのでしょうね。

 今回、TourBox Elite Plus を使ってみて改めて思うのは、iPadOS という OS による制約の強さです。
 一応、TourBox Elite Plus は汎用デバイスではありますが、iPad上で使う場合には、アプリ毎の設定の自動切り替えができないので、単一のアプリで使うことがメインになりそうです。
 そう考えると、どちらかというと、Windows とか Mac とかの方が本領を発揮するデバイスかと思います。あるいは、iPad と PC のどちらでも統一した操作性で使いたい場合、とかね。
 幸い、Bluetooth の接続先は2台を切り替えて使えますし、USB-Cによるケーブル接続もできるので、iPad と PC の両方で使っていこうと考えています。

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