秋のひまわり posted by
(C)nonkuri SIGMA DP2
訳者が柴田元幸だから、という理由だけで購入したもの。フィリップ・ロスの作品を読むのは初めてだ。
脳腫瘍に冒された父との日々を描くノンフィクションだが、あまりノンフィクションという感じがしない。むしろ小説のように感じる。
こういう自伝的なノンフィクションというのは、著者自身のための文章であることが多い。「著者自身のための」というのは読者を意識していないという意味ではなく、書くことによる自分の中の思いや感情の整理といった要素が多くなるという意味だ。読者は「共感する」のではなく「読み取る」ことになる。
しかし、この作品は、まるで小説のように、出来事や感情が読者が自分のものとして感じるられる。その文章の力が実に素晴らしい。
ロスの他の作品も、ぜひ読んでみたい。
父の遺産
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