2009年12月13日日曜日

若き日の名作集 『冬の夢』 スコット・フィッツジェラルド

冬間近
冬間近 posted by (C)nonkuri EOS Kiss X2 + EF100mm F2.8Lマクロ IS USM

 村上春樹の選・訳によるフィッツジェラルドの初期(『グレート・ギャッツビー』前)の名作を集めた短編集。後期の名作集もいずれ翻訳刊行されるとのこと。

 収録作品は次の5つ。括弧内は原題。

『冬の夢』(Winter Dreams)
『メイデー』(May Day)
『罪の赦し』(Absolution)
『リッツくらい大きなダイアモンド』(The Diamond As Big As Ritz)
『ベイビー・パーティー』(The Baby Party)

 このうち、『冬の夢』、『罪の赦し』、『ベイビー・パーティー』は短編集『若者はみな悲しい』に収録され、『メイデー』、『リッツくらい大きなダイアモンド』は短編集『ジャズ・エイジの物語』に収録されている。
 当然のことながら、前者は光文社古典新訳文庫の『若者はみな悲しい』にも入っている。原文を読んだことがないのでどちらが原作の雰囲気が出ているかはわからないが(正確に言えば読んだとしてもそれがわかるほどの語学力はないが)、個人的には、古典新訳文庫の方(小川高義 訳)が翻訳者の色が出ていなくて好み。
 村上訳も悪いわけではなく、美しい翻訳である。ただ、たまに出てくる特徴ある言葉の使い方が(「留保のない」とか)気になるのだ。村上訳、と意識しちゃうからかもしれないけれど。

『冬の夢』

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