太公望 posted by
(C)のんくり 『運命の裏木戸』を読了。
この小説は、トミー&タペンスもの4冊目の長編であり、クリスティーが最後に書いた小説である(発表がもっと後になった小説はある)。80歳を超えてから書かれた小説であり、本人の老境を楽しむ姿が反映されているように思う。
サスペンスのドキドキ感もほどほどにあるが、何よりも良いのは登場人物の会話である。老年を迎えた人々の会話、それぞれが自分のペースで話をし、過去の思い出が次々と繰り出されるところ。こういうものはそれなりの人生の経験を得た者だけが書けるものなのかもしれない。
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