2022年3月6日日曜日

ifi Audioの「xDSD Gryphon」の感想など

American Shorthair

α6500 & SIGMA 56mm F1.4 DC DN


 新たにifi AudioのDAC兼ヘッドホンアンプ「xDSD Gryphon」を手に入れましたので感想などを書いておきます。

 iFi audioは個人的に好きなメーカーです。機能が充実していて、動作が安定していて、音質も良くて、価格は良心的。加えて、ファームウェアのアップデートなどでのフォローもきちんとしていて安心感があります。
 私は他にもmicro iDSD BL、iDAC2、iTube2 を持っており(すべて中古品ですが)。iDAC2はデスクトップPCの外付けDACに、micro iDSD BL はヘッドホンを利用するときのメインのDAC兼アンプになっています。

 というわけで、xDSD Gryphonで4製品目の所有物になるわけですが、まずは外観から。
 iFi audioの製品は正直いってデザインは今ひとつなものが多いですが、最近は少しずつ良くなってきました。xDSD Gryphonは表面の質感や造作にチープさがなく、なかなかレベルが高いものになっています。
 前面中央のボリュームノブの質感もなかなか良いです。これは電源ボタンを兼ねており、長押しでON/OFFの切り替えができます(再生中に普通に押すとミュートとなる)。
 また、上面にOLEDパネルがあり、音源の種類(PCM or DSD)やサンプリングレート、音量などが表示されるようなっています。iDSDシリーズに比べてわかりやすくて良いです。

 次に機能面です。
 入力はUSB-C、S/PDIF(同軸&光)、ライン入力が4.4mmバランスと3.5mmシングル、Bluetoothが5.1で対応コーデックはaptX, aptX HD, aptX Adaptive, aptX LL, LDAC, HWA, AAC, SBCと網羅されています。デジタル入力の対応フォーマットはPCMが768kHzまで、DSDが512まで(ネイティブ再生)、加えてMQAのフルデコードも可能と文句なしです。
 出力はヘッドホン出力、ライン出力とも4.4mmバランスと3.5mmシングル。ライン出力端子はライン入力と兼ねており、ボリュームと連動した可変タイプです。ちなみに、ボリュームは電子ボリューム(デジタル制御のアナログステップボリューム)となっており、iDSDシリーズのように小ボリュームのときに左右の音量が揃わないギャングエラーが出ることはありません。
 ポータブルのヘッドホンアンプとしては、出力があるほうだと思います(micro iDSDシリーズほどのパワーはありませんが、むしろあちらがありすぎなだけ)。現在メインで使っているヘッドホンであるAeon Flow Closed-Back(初代)はインピーダンス14Ω、能率93dB/mWとインピーダンス・能率とも低いため、アンプ側に低インピーダンスと高出力が求められるヘッドホンですが、きちんと鳴らせているかと思います。

 また、逆に高感度イヤホン向けのホワイトノイズ対策として、IEMatchというアッテネーター機能もついています。試しに手持ちのイヤホンでもっとも感度の高い Andromeda S (感度112.8dB/ mW、インピーダンス12.8Ω)を4.4mmバランス接続で鳴らしてみたところ、IEMatchなしだとそれなりにホワイトノイズが出ます。IEMatchスイッチを3.5mm側でもまだ少し残り、4.4mm側だと感じられないようになりました。ただ、インピーダンスが低いイヤホンに繋ぐ場合、IEMatchは音質が変化する場合があるので使うかどうかは悩ましいところです。なお、試してわかったのですが、IEMatchのスイッチ表記が謎で、てっきりイヤホンの接続先でスイッチを選ぶのだと思っていたのですが、IEMatchのスイッチを3.5mm、4.4mmのどちらでも効果があり、単に効果の大小の違いがあるだけです(4.4mmの方が効果大)。

 その他、音の味付け機能としてXBass IIとXSpaceという機能があります。XBass IIはi DSDシリーズにもあるXBassの改良版のようで、従来の低音ブーストに加えて、プレゼンス帯域(中高域・一般的には2.5kHzから5kHzあたりでしょうか)もブーストできるようになりました。Bass、Presence、Bass+Presenceの3つが選べるので、使用するヘッドホン・イヤホンによって選びやすくなったかと。XSpaceは公式サイトでは「音源の奥行きのあるサウンドステージを取り戻します」というよくわからない説明になっていますが、iDSDシリーズなどにある3D+機能(クロスフィードをかけて前方定位感を生み出す機能))の改良版ではないかと思われます。3D+は曲によって影響力が結構違うのでほとんど使ったことがないのですが、そのうち試してみたいと思います。

 使用されているDACチップはバーブラウン製としか記載されていませんが、いつものとおりDSD1793でしょう。
 PCM音源用のデジタルフィルターはビットパーフェクト、スタンダード、GTOの3つが用意されています(標準はスタンダード)。私は既存のiDAC2、iDSD BLと合わせてGTOを使用しています。
 なお、micro iDSDシリーズの場合はデジタルフィルターの選択スイッチでDSD再生時のローパスフィルター設定も選べるようになっていましたが、そのあたりは明記されていないためよくわかりません。

 メインの用途としてはiPhoneに繋いでAmazon Music Unlimitedを使用する予定ですが、試しにnePlayerというアプリでSynologyのNASに入れてあるDSD音源を鳴らしてみたところ、当たり前ですがきちんとDSDとして認識して再生できました。nePlayerはDLNAに対応していて、PCM音源(FLAC、ALAC等)は384kHz、DSDはDoPで128(5.6Mhz)まで対応しています(PCM変換ならDSD256も再生できる)。DSD256も試してみたいところですが、残念ながらDLNAとDSD256ネイティブ再生の両方に対応したiOSアプリは見つからず。まぁ、DSD256の音源なんてほとんどもってないので困らないのですけどね。
 ちなみに接続用のコード類はUSB-C-USB-C、USB-C-Lightning、USB-C-USB-Aの3本が付属しているので、iPhoneでもAndroidでもパソコンでも接続にあたってコード類を別途買う必要はありません

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