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2025年7月19日土曜日

Google の Flow(AI映像制作ツール) を試してみる

 Google Flowは、Google DeepMindが開発した映像クリエイター向けのAI映像制作ツールです。2025年5月に発表されました。

 主な特徴とできることは以下の通りです。

  • AIによる映像生成: テキストや画像を入力するだけで、物語のワンシーンのような映像を自動で作成。カメラの動き、視点、アングルなども任意に設定可能。
  • 一貫性のあるストーリー構築: 新しいシーンをゼロから作成するのではなく、既存の要素を継続させる形で物語の展開を構築するため、連続性のあるナラティブを容易に形成。
  • AIモデルの統合: Googleの最新の動画生成AI「Veo」(Veo2, Veo3)、画像生成AI「Imagen」、そして大規模言語モデル「Gemini」を統合し、これらの強力なAI基盤を活かして高品質な映像を生成。
  • 音声の生成: 映像だけでなく、効果音やバックグラウンドノイズ、場合によっては音声もプロンプトに含めて生成(モデルによる)。
  • Flow TV: ユーザーがVeoで作成したクリップやチャンネル、コンテンツを共有するための機能で、他のユーザーの手法を学習するためのもの。
  • 編集機能: 生成された映像に軽微な修正や演出を追加することも可能。
  • アセット管理: 素材やプロンプトを管理・整理する機能を備える。

 ありがたいことに、Google AI Proプラン(月額2,900円)でも、毎月1,000クレジットが付与されて、Flow を使うことができます。

 というわけで、制作したのが上の動画です。

 ChatGPT でイメージ画像を作成し、それを元に Google Flow で動画化しました。月1,000クレジットしかないので、今回は1回10クレジットで作成できる Veo2 Fast を使って作成しています。プロンプトは英語しか受け付けないようなので、Gemini で英語に翻訳しながら指示を出しています。
 何度も試してうまくできたクリップを選んで DaVinci Resolve で編集し、BGM をつけました。

 これは実に楽しいですね。時間が溶けていく。

2025年5月31日土曜日

DaVinci Resolve 20 新機能ガイド

 5月28日にDaVinci Resolve 20 の正式版が公開されましたね。

 公式の新機能ガイドを元に Gemini(2.5Pro)先生に新機能をまとめてもらいましたので、ご参考にどうぞ。Studio版(有料版)のみの機能には [Studio版] と記載してもらってます。

DaVinci Resolve 20 新機能ガイド

DaVinci Resolve 20では、ポストプロダクションワークフローのあらゆる段階を高速化するために設計されたAIツール群を含む100以上の新機能が搭載されました。 このガイドでは、主要な新機能を各ページごとにご紹介します。

一般的な改善点 (General Improvements)

DaVinci Resolve 20では、新しいAIツールや利便性を向上させる多くの改善が行われています。

  • AI Voice Convert [Studio版]: ある話し声を別の声に変換する高度なAI駆動の音声変換ツールです。 ノイズの多い環境で録音された音声をクリーンなバージョンに置き換えたり 、俳優の声を別の声に変更したりすることが可能です。 ただし、このツールの使用にはプライバシー、著作権、組合の規則などを考慮する倫理的な責任が伴います。  
  • 使用方法: タイムラインでクリップを選択し、右クリックメニューまたはメインメニューから「Voice Convert」を選択します。 新しいオーディオを配置するトラック、ファイル名、使用するボイスモデルを選択し、「Render」をクリックします。  
  • 設定項目:  
    • Track: 新しいオーディオを配置するトラックを選択します(デフォルトは「Render in Place」)。  
    • File Name: 新しいオーディオクリップのファイル名を設定します(デフォルトは「ClipName-(Voice Model Name)」)。  
    • Voice Model: 使用するボイスモデルを選択します。DaVinci Resolveに組み込まれているオプションや、作成したカスタムオプションも利用可能です。  
    • Tight Matching to Source: ソース音声のピッチ、イントネーション、音量の変化に厳密に追従します。  
    • Pitch Variance: 「Tight Matching to Source」が無効の場合にアクティブになり、ピッチの変動を調整します。  
    • Pitch Change: モデルに基づいて音声を低く(負の値)または高く(正の値)します。  
  • 独自ボイスモデルの作成: クリーンで高品質な10分程度の音声録音を使用して、独自のボイスモデルを作成できます。 メディアプールで分析するクリップを選択し、右クリックして「AI Tools > DaVinci AI Tools Voice Training」を選択します。 ボイスモデル名と品質(FasterまたはBetter)を設定して開始します。  
  • DaVinci Resolveで作成されたメディアのユーザー定義可能な場所: 新規プロジェクト作成時に、そのプロジェクトで生成されるすべてのメディア(ボイスオーバーツールやVoice Convertで作成された新しいオーディオファイルなど)を保存する特定のフォルダを選択できるようになりました。 これにより、プロジェクトのメディアを一元管理しやすくなります。  
  • Extras Download Manager: AIベースのモデルはファイルサイズが大きくなる傾向があるため、DaVinci Resolve 20では「Extras Download Manager」が導入されました。 これにより、ユーザーは必要なオプション機能を選択して追加できます。 現在は、拡張AI文字起こしサポート言語とAIボイストレーニングのパッケージが含まれています。  
  • macOSでのDaVinci Remote Monitorの自動インストール: DaVinci Resolveのビューア出力をインターネット経由でストリーミングできるDaVinci Remote Monitorアプリケーションが、macOS版のメインプログラムと共に自動的にインストールされるようになりました。  
  • 自動キャッシュ管理のユーザー設定: 一定日数経過後にローカルキャッシュを自動的に削除するユーザー設定が追加され、ドライブが古いプロジェクトで一杯になるのを防ぎます。  
  • ウルトラワイドディスプレイでのデュアルスクリーンウィンドウの有効化: ウルトラワイドモニターを使用している場合、DaVinci Resolveのデュアルスクリーン設定を有効にして、画面スペースを最大限に活用できるようになりました。  
  • マルチモノラルオーディオ構成での全クリップインポート設定: マルチチャンネルオーディオを、メディアプールに追加する際に自動的に同数のトラックを持つ複数のモノラルファイルとしてインポートする設定が追加されました。  
  • 接続されたコントロールパネルを表示するポップアップダイアログ: インターフェース右下に、現在接続されているコントロールパネル、接続方法、バッテリー状況を表示するポップアップアイコンが追加されました。  
  • Text+で表示されるフォントをフィルタリングする機能: Text要素で表示されるフォントオプションを明示的に制限できるようになりました。 これにより、使用が許可されているフォントのホワイトリストを設定し、他のすべてのフォントを非表示にできます。  
  • 同期オーディオプロパティのデータバーンオプションとタグ: データバーンインダイアログから、クリップのソースプロパティの代わりに同期オーディオタイムコードと同期オーディオファイル名を表示できるようになりました。  
  • NVIDIA Blackwell GPU(CUDA 12.8)のサポート: NVIDIAの新しいBlackwellシリーズGPUとCUDA 12.8機能を完全にサポートします。
カットページとエディットページ (Cut and Edit)

DaVinci Resolve 20では、カットページとエディットページの両方で編集機能が大幅に強化されました。

  • アップグレードされたキーフレームとカーブエディタ: キーフレームとカーブエディタのインターフェースが刷新され、独立したパネルになりました。 これにより、より効率的なレイアウトで正確なキーフレーム調整が容易になります。  
    • キーフレームエディタ: 選択したクリップのキーフレーム可能な各パラメータに対してキーフレームトラックを表示します。 パラメータグループごとにトラックがグループ化されており、個々のパラメータの表示/非表示を切り替えることができます。  
    • カーブエディタ: キーフレームエディタのカーブアイコンをクリックすると開きます。 キーフレームを持つトラックがグラフ上に色付きの線で表示され、コントロールポイントを調整してタイミング、値、補間を変更できます。  
    • キーフレーム可能なOpen FXとResolve FX: Resolve FXパラメータに追加されたキーフレームは、キーフレームエディタとカーブエディタの両方に表示され、調整可能です。  
  • Blackmagic Cloud共有フォルダをメディアプールにインポート: Blackmagic Cloudフォルダをメディアプールにインポートして同期できるようになりました。 これにより、オンラインの共有ストレージフォルダに接続し、そこからメディアを選択的にローカルマシンにダウンロードできます。  
  • AI IntelliScriptによるスクリプトからのタイムライン作成 [Studio版]: 文字起こしエンジンを使用して、元のスクリプトと照合し、タイムラインを生成する強力な新しいAI搭載ツールです。 シーンのラフカットを迅速に組み立て、複数のテイクをタイムライン上で整理することも可能です。  
  • AI Dialogue Matcher [Studio版]: あるダイアログを別のダイアログに一致させ、トーン、レベル、部屋の反響/アンビエンスをマッチングさせることができます。 特に部屋のトーンを一致させるのに役立ちます。  
  • AI Music Editor [Studio版]: 編集の長さに合わせて音楽をシームレスに伸縮させることができます。 インスペクタのオーディオタブからアクセスし、希望のデュレーションを入力して「Retime」ボタンを押します。 この機能はビート主導の音楽に適しており、タイムコンプレッション/エクスパンションやピッチ変更を行わず、編集テクニックを使用して音楽を調整します。  
  • AI Animated Subtitles [Studio版]: 「Animated」と呼ばれる新しいFusionタイトルテンプレート群が追加されました。 これらのテンプレートを字幕トラックに追加することで、簡単にアニメーション字幕エフェクトを作成できます。  
  • AI Super Scale 3x 4x Enhanced [Studio版]: 低解像度フッテージの高品質なアップスケーリングのために、Super Scaleに3倍および4倍のエンハンスドモードが追加されました。 エンハンスドモードでは、シャープネスとノイズリダクションの値を具体的に選択できます。  
  • AI Beat Detectorによる音楽ビート表示 [Studio版]: タイムライン上の音楽のビートを自動的に検出し、これらのビートマーカー位置へのスナップをサポートします。 この機能は、ビート主導の音楽で、4/4または3/4拍子の場合に効果的に機能します。  
  • 垂直編集のための最適化されたUIレイアウト: 垂直タイムラインやプロジェクトがロードされると、カット、エディット、カラーページのUIが垂直ビューアに最適化されたレイアウトに自動的に切り替わります。  
  • メディアプールのクリップサムネイルのカスタムソート: メディアプールのサムネイルビューでクリップを手動で再配置できるようになり、視覚的に意味のある方法でクリップをグループ化できます。  
  • テキストレイヤーと簡単なコントロールを備えた新しいMultiTextツール: Text+をベースにしたMultiTextツールは、単一のツール内で複数のテキストレイヤーを追加およびフォーマットする柔軟性を提供します。  
  • 字幕トラックでのFusionテンプレートによるスタイリングサポート: Fusionタイトルテンプレートを字幕トラックヘッダーにドラッグすることで、字幕トラックをスタイリングできるようになりました。  
  • プロキシ同期されたクラウドプロジェクトでの特定のメディアオリジナルの同期: プロキシのみがBlackmagic Cloudに同期されているBlackmagic Cloudプロジェクトで、メディアプール内の特定のファイルのオリジナルを同期する機能が追加されました。  
  • Photoshop PSDレイヤーを個別のタイムラインに分割: タイムライン上のAdobe Photoshopドキュメント(.psd)を右クリックし、「Split PSD Layers in Place」を選択すると、ファイルの各レイヤーが個別のトラックに展開されます。  
  • アラートレッドビューア背景モードのサポート: ブランキングや合成などのフレーム充填に関する問題を明確に示すために、タイムラインビューオプションのビューア背景設定に「アラートレッド」オプションが追加されました。  
  • 文字起こし品質の向上と追加言語のサポート [Studio版]: 文字起こしの品質が向上し、さらに多くの言語の文字起こしと自動字幕作成がサポートされるようになりました。 これらの追加言語は、新しいExtras Download Managerを使用して有効にします。  
  • スムーズカットでのAI Speed Warpサポート [Studio版]: スムーズカットトランジションは、ジャンプカットのある編集に対して非常にクリーンなトランジションを実現するために、AI搭載のSpeed Warp補間を自動的に使用するようになりました。  
  • 話者とタイムコード情報を含むオーディオ文字起こしエクスポート [Studio版]: 文字起こしをエクスポートすると、結果のテキストファイルに各発話ブロックの話者名とタイムコード情報が含まれるようになりました。  
  • 文字起こしエクスポートの改善 [Studio版]: フレーズや文の区切りタイミングに関する文字起こしエクスポートも改善されました。  
  • インスペクタでの編集可能な空間ビデオメタデータ: Apple Spatial Videoクリップを使用している場合、ファイルインスペクタでクリップのベースライン、水平視野角、視差調整パラメータを調整できるようになりました。
カットページ (Cut Page)

DaVinci Resolve 20のカットページには、新しいボイスオーバーとプロンプターツール、Speed Editorなしでのライブオーバーライト機能などがネイティブに搭載されています。

  • ボイスオーバーツール: カットページには、ビューアのボイスオーバーアイコンをクリックすることで簡単にアクセスできる、専用のボイスオーバーとテレプロンプターインターフェースが新設されました。 スクリプトをカットページのタイムラインに直接、完璧なタイミングで録音できます。 Voice IsolationやDialog Levelerをオンザフライで適用することも可能です。  
    • プロンプターの使用: ボイスオーバーツールには、テキスト(.txt)スクリプトをインポートできるプロンプターツールセットが組み込まれており、録音中にテキストが画像上にスクロール表示されます。  
  • セカンダリトラックでのリップルトリミングが可能に: これまでプライマリトラックでのみ利用可能だったカットページのリップル編集が、セカンダリトラックでも利用可能になりました。  
  • リプレイセッションで以前使用したカメラアングルをマルチビューで表示: 以前使用したリプレイアングルが、リプレイの期間中、青い枠線で示されるようになりました。  
  • 時間ボタンをタップすると、カメラボタンを押してリプレイをプリロール可能に: 時間ボタン(2秒~7秒)を押して選択すると、カメラを切り替える前にカメラのプリロール時間を制御できます。  
  • メディアファイルの自動再同期が静止画とフレームシーケンスをサポート: メディアプールビンとファイルシステムフォルダを「Automatically Resync Media Files」コマンドで同期する際に、静止画とフレームシーケンスの同期もサポートされるようになりました。  
  • Speed Editorの編集キーとサーチダイヤルを使用したソースおよびソーステープからのライブオーバーライト: Speed Editorの編集ツールキーに新しいライブオーバーライト機能が追加されました。 各編集ツールキーを長押ししながらサーチダイヤルを回すと、カットページのソースおよびソーステープ内の素材を使用して様々なライブオーバーライト操作を実行できます。  
  • マルチソースおよびシンクビンビューアからのカメラアングルのライブオーバーライト(マウスドラッグ): Speed Editorがなくても、マウスを使用してマルチカム素材にライブオーバーライトのペイントオン機能を使用できます。  
  • セーフエディットによるトリミング: タイムラインオプションで「Trim with Safe Edit」をオンにすると、トリミング中に誤って隣接するクリップを上書きするのを防ぐことができます。  
  • メディアプールのメタデータ表示パレット: ビューアがソーステープまたはソースモードの場合、メディアプールの検索バーのすぐ左に小さなタグアイコンが表示されます。 これをクリックすると、メディアプールの上部にメタデータ表示パレットがアクティブになり、選択したクリップに関する基本情報が表示されます。  
  • タイムラインクリップからの属性のコピー、貼り付け、削除: カットページのタイムラインで、エディットページと同様にクリップの属性をコピー、貼り付け、削除できるようになりました。  
  • JKLコントロールを使用したダイナミックトリミング: キーボードのJKLコントロールを使用したエディットページのダイナミックトリムモードがカットページに追加され、素早いキーボードトリミングが可能になりました。  
  • フル機能のオーディオミキサー: カットページで、ミックスのすべてのトラックとバスにアクセスできるフルオーディオミキサーを表示できるようになりました。 さらに、オーディオトラックFX、ダイナミクス、イコライザーツールへのショートカットも利用できます。  
  • ミニタイムラインのクリップコンテキストメニューアクション: カットページの上部ミニタイムラインでクリップを右クリックすると、カットページのメインタイムラインでクリップを右クリックするのと同じアクションを実行できるコンテキストメニューが開くようになりました。
エディットページ (Edit Page)

DaVinci Resolve 20のエディットページには、デュアルタイムライン編集や新しいマルチカムスマートスイッチなどの機能がネイティブに搭載されています。

  • 録音およびモニターオプション付きボイスオーバーツール: カットページとエディットページの両方で、簡略化されたインターフェースを使用してタイムラインのトラックに直接ボイスオーバーを録音できるようになりました。  
  • AI Multicam SmartSwitchによる自動アングル切り替え [Studio版]: 全てのマルチカムカメラアングルを分析し、アクティブな話者に基づいて最も適切なアングルに自動的にカットする、AI搭載の新しいマルチカムツールです。  
  • エディットページソースビューアでのソーステープ: カットページのソーステープがエディットページのソースビューアでも利用可能になりました。  
  • ソースビューアでのタイムラインの表示と編集: エディットページで2つのタイムラインを同時に作業できるようになり、1つはソースビューアに、もう1つはタイムラインビューアにロードされます。  
  • マルチカムクリップ用の単一リファレンスオーディオトラックの選択: マルチカムクリップ作成時に、「Reference Audio/Angle 1」を選択すると、最初のオーディオのみのアングルを自動的に識別し、他のすべてのアングルのリファレンスオーディオとして設定します。  
  • タイムラインから開いた複合クリップでの再生ヘッド位置の一致: タイムラインから開いた複合クリップ内の相対的な再生ヘッド位置が保持されるようになりました。  
  • タイムラインタブコンテキストメニューからのタイムライン設定: スタックされたタイムラインビューのタブを右クリックし、コンテキストメニューから「Timeline Settings」を選択することで、タイムライン設定にアクセスできるようになりました。
Fusion (Fusion)

Fusionは、ディープイメージ合成ツールセットやマルチレイヤーパイプラインサポートなど、大幅なアップデートが行われました。

  • ディープイメージ合成ツールセット [Studio版]: Fusionは、ディープイメージデータ(特にOpenEXRなど)をロード、利用、保存するための一連のツールをサポートするようになりました。 これにより、特に複数のオブジェクトが重なる複雑な3Dレンダリングをレイヤー化し、レンダリングされた3Dシーンと統合できます。  
    • 関連ツール: Image to Deep, Deep to Image, Deep to Points, dCrop, dHoldout, dMerge, dRecolor, dResize, dTransform, Renderer3D, Loader, MediaIn, Saver。  
  • OpenEXR、PSD、ステレオスコピック3Dのマルチレイヤーパイプライン [Studio版]: Fusionは、EXR、ステレオスコピック3D、PSDアセットをサポートするマルチレイヤーイメージワークフローをインテリジェントに処理できるようになりました。  
  • イメージパッチングとクリーンアップのためのベクターワーピングツールセット [Studio版]: Smart Vector Warping 2Dイメージングツールセットを使用して、リファレンスフレームをシーケンス内の他のすべてのフレームにマッピングおよびワープできます。 顔の置き換え、デジタルメイクアップ、看板の置き換えなどに役立ちます。  
    • 関連ツール: Vector Warp, Vector Transform, Vector Denoise。  
  • Fusion VR 180 サポート [Studio版]: Fusionの既存のVRツールの多くが180度の視野角をサポートするようになりました。  
    • 関連ツール: Spherical Camera, PanoMap, LatLong Patcher, Spherical Stabilizer, Viewer 360 View。  
  • 3Dシーン用ドームライト: Fusionの3D環境専用に設計された、USDドームライトと同様の機能を持つ3Dシーン用ドームライトが追加されました。  
  • ネイティブCryptomatteワークフローのサポート [Studio版]: 新しいCryptomatteツールを使用すると、EXRにレンダリングされた埋め込みマットを読み取ることができます。  
  • MediaOutノードでのカラーページグレードの表示: FusionビューアでMediaOutをプレビューする際に、カラーページからのクリップの後続のカラーグレードを表示するかどうかを選択できるようになりました。  
  • エフェクトカテゴリに基づいた検索ツール: ツールを検索する際、結果が単なるアルファベット順ではなくカテゴリ別に表示されるようになり、必要なツールを簡単に見つけられるようになりました。  
  • コンポジションのユーザー選択可能な開始フレーム: Fusionでは、トリミングされたクリップを含むすべてのコンポジションに対して一貫したフレーム番号付けが可能になりました。
カラー (Color)

カラーページでは、Magic MaskのAIが大幅にアップグレードされ、新しいChroma Color Warperが導入されたほか、多くの利便性向上が図られました。

  • AI Magic Mask v2 [Studio版]: Magic Maskの基盤となるAI技術が完全に再設計され、以前のバージョンよりも劇的に優れた結果が得られるようになりました。 オブジェクトや人物モードの区別がなくなり、ストローク描画の代わりにオブジェクトをクリックして選択する方式に変更されました。 また、フレームごとにマスク領域を手動でペイントイン/アウトするシンプルなペイントツールが追加されました。  
  • Chroma Color Warper: Color Warperパレットに新たに追加されたツールで、色彩度ダイアグラム上のストロークを使用して、色範囲間のスムーズで正確な変更を行います。 NormalモードとPoint to Pointモードがあり、露出に依存しないため、輝度を変更しても認定された選択が損なわれることはありません。  
  • リモートモニターの改善 [Studio版]: Power Windowオーバーレイをストリーム上で表示できるようになり、macOSからH.265 4:2:2でストリーミングできるようになりました。  
  • Samsung Logカラースペース: Samsung Logがカラーマネジメント操作でネイティブにサポートされるようになりました。  
  • ACES 2.0のサポート: ACES 2.0がカラーマネジメント操作でサポートされるようになりました。  
  • HDRライトレベルレポートの生成機能 [Studio版]: メディアプールからHDRライトレベルレポートを生成できるようになりました。  
  • マルチユーザープロジェクトにおけるLUTおよびカラースペースコンテキストオプション: マルチユーザープロジェクトのノードからLUTおよびカラースペースオプションを調整できるようになりました。  
  • カラーパネルの改善: Advanced PanelとMicro Panelにいくつかの小規模な利便性向上が加えられました。
Resolve FX (Resolve FX)

DaVinci Resolve 20では、Depth Map用の新しいAI、Warperの改善、新しいOpenColorioツールセットが導入されました。

  • AI Depth Map v2 [Studio版]: 新しいAIを使用し、Depth Map Resolve FXが大幅に改善されました。  
  • Resolve FX Warper [Studio版]: Warperが再設計され、新しいCurvesモードとツールのレイアウト変更が含まれました。 PointsモードとCurvesモードがあり、画像の特徴をゴムシートのように押したり伸ばしたりすることができます。  
  • Resolve FX OpenColorIO: OpenColorIO Resolve FXの新しいカテゴリが追加されました。 これには、OCIO CDL Transform、OCIO Color Space、OCIO Display、OCIO File Transformが含まれます。
Fairlight (Fairlight)

DaVinci Resolve 20には、以下の新しいFairlight機能と改善点が含まれています。

  • AI IntelliCut [Studio版]: 以下のAI駆動機能グループを提供します。  
    • AI Remove Silence: タイムラインクリップから無音部分を迅速かつ非破壊的に削除する機能です。  
    • AI Checkerboard to New Tracks: 複数の俳優が1つのトラックにブームマイクで録音されている場合などに、各音声を個別のトラックに分割するのに役立ちます。  
    • AI Create ADR Cues: トラック上のタイムラインクリップの選択範囲を分析・文字起こしし、個別のADRキューを生成します。  
  • AI Dialogue Matcher: あるタイムラインクリップのアンビエント品質を別のクリップに一致させる必要がある場合に役立ちます。  
  • AI EQ Matcher: あるマイクで録音されたオンロケーションダイアログの音調特性(EQプロファイル)を、別のマイクを使用してポストで録音された新しいダイアログに迅速に適用する必要がある場合などに使用できます。  
  • AI Level Matcher: 様々なタイムラインクリップのクリップボリュームを互いに迅速かつ正確に一致させることができます。  
  • AI Music Editor: 人間の音楽編集者のようにシームレスでインテリジェントな編集を作成することで、音楽キューを伸縮させることができます。  
  • AI Audio Assistant [Studio版]: トラックを自動的に整理・色分けし、ダイアログレベルを均一化し、Fairlightミキサーフェーダーを調整して、音楽、効果音、ダイアログのプロ品質のミックスを作成します。  
  • クリップEQの改善: オーディオインスペクタのクリップEQが6バンドをサポートし、他のクリップEQインスタンス間で設定をコピー&ペーストできるようになりました。  
  • その他の改善: マルチチャンネルクリップのクリップゲイン表示の改善、多数のクリップを含むタイムラインのクリップ波形描画の応答性向上、タイムラインマーカーのヘアライン表示モード、トラックヘッダーカラーをドラッグしてタイムライン内のトラックとバスを再配置する機能、オートメーションの改善などが含まれます。
Deliver (Deliver)

DaVinci Resolve 20では、Deliverページにいくつかのコーデックとエクスポートオプションが追加されました。

  • クイックエクスポートダイアログの改善: 独自のカスタムユーザープリセットリストを追加したり、すべてのエクスポートオプションをリストビューで表示したりできるようになりました。  
  • ユーザープリセットへのアイコン割り当て: Deliverページで新しいカスタムプリセットを作成する際に、名前を入力するだけでなく、リストからアイコンを選択してRender SettingsとQuick Exportダイアログでそれを表現できるようになりました。  
  • フレームベースフォーマットのインターレースレンダリング: デフォルトではプログレッシブでレンダリングされるフレームベースのメディアソース(イメージシーケンスなど)を、オプションでインターレースメディアとしてレンダリングできるようになりました。  
  • 新しいコーデックサポート:  
    • WindowsおよびLinuxシステムでのProResエンコードサポート。  
    • 空間ビデオメタデータなしでのMV-HEVCエンコード [Studio版]。  
    • NvidiaシステムでのMV-HEVCエンコードサポート [Studio版]。  
    • サイドバイサイドステレオ3Dメディアデコードのサポート [Studio版]。  
    • ソースビューアでのステレオ3Dクリップのサイドバイサイド表示モード [Studio版]。  
    • インスペクタでの編集可能な空間ビデオメタデータプロパティ [Studio版]。  
    • 対応NvidiaシステムでのGPUアクセラレーションH.265 4:2:2エンコード [Studio版]。  
    • 対応NvidiaシステムでのGPUアクセラレーションH.265 4:2:2デコード [Studio版]。  
    • メディアストリームとしてのTS、MTS、M2TSファイルの拡張サポート。  
    • フレームベースフォーマットのインターレースレンダリングサポート。  
    • EXRのHT JPEG 2000デコードサポート。  
    • Sony Burano 2.0のサポート。  
    • RED SDK 8.6のサポート。  
    • Dropboxプリセットのオーディオノーマライゼーションサポート。

2025年5月26日月曜日

DaVinci Resolve の Film Looks カテゴリの LUT を使ってみる

 DaVinci Resolve には 標準で多くの LUT が付属していますが、その中に Film Looks というカテゴリーの LUT があります。
 今回は、この中から”Rec709 Fujifilm 3513DI D65” を使ってみます。

 このLUTは名前からすると、一般的な Rec.709 で撮影した動画を富士フイルムの映画用フィルム「エテルナ」(”3513DI”は調べるとエテルナの一種のようです)のような色調にするものかと思いましたが、少し違います。
 このLUTの想定している入力カラースペースは、色域はRec.709ですが、ガンマは Gamma 2.4 ではなく、Cineon Film Log になっています。出力は Rec.709 / Gamma 2.4 です。これを前提に LUT を適用する際は CST の設定をする必要があります。
 なお、Cineon Film Log(シネオン・フィルム・ログ)は、映画フィルムの広いダイナミックレンジをデジタルデータとして記録するために米コダック社が1990年代初頭に開発した対数エンコーディング方式です。 

1. Color Management の設定

 まず、前提となる Color Management の設定です。
 今回の Color Management の設定はこんな感じ。Color science に DaVinci YRGB Color Managed を選択して RCM(Resolve Color Management) を使用、Color processing mode を Custom にして、素材に合わせて設定しています。
 なお、HDR1000対応のモニターを使っているので、Timeline working luminance は HDR 1000 を選択しています。

 素材は、S-Gamut3.Cine / S-Log3 の動画です。
 何もノードを組んでいないときでも、RCM が働いて次のようになります。

2. ノードツリー

 今回のノードツリーはこんな感じ。LUT 適用の実験なので、簡単に組んでいます。

 LUTの適用に必要なのは後半3つのノードで、①Color Space Transform (CST) で Timeline のカラースペースからLUTの入力カラースペースに変換、②LUTを適用(今回は Film Looks の “Rec709 Fujifilm 3513DI D65”)、③CST で LUT の出力カラースペースから Timeline のカラースペースに戻す、という流れです。

 後半の LUT を先に設定してから、前半部分のノードで、ホワイトバランス、彩度、露出・コントラストを調整します。
 ノードツリーは画像の順番ですが、実際の調整は、露出・コントラスト、彩度、ホワイトバランスの順番で調整することが多いです。

3. LUTの前の CST の設定

 LUT の前に置く CST は Timeline のカラースペースからLUTの入力カラースペースに変換するものなので、次のような設定になります。

 Input Color Space と Input Gamma はタイムラインを使い、Output Color Space は Rec.709、Output Gamma は Cineon Film Log に設定します(繰り返しになりますが “Rec709 Fujifilm 3513DI D65” の入力は、色域は Rec.709、ガンマは Cineon Film Log が想定されています)。
 Tone Mapping Method は デフォルトの “Davinci” で大体は大丈夫ですが、Gamut Mapping Method は彩度の高い素材だと “Saturation Compression” (彩度圧縮) を使った方がいい場合もあるかも。

4. LUTの後の CST の設定

 LUT の後ろに置く CST は LUT の出力カラースペースから Timeline のカラースペースに戻すためのものです。

 Input Color Space は Rec.709、Input Gamma は Gamma 2.4 に設定し、Output Color Space と Output Gamma はタイムラインを使います(繰り返しになりますが “Rec709 Fujifilm 3513DI D65” の出力は、色域は Rec.709、ガンマは Gamma 2.4 が想定されています)。

5. LUT の設定

 CST で挟まれたノードに LUT(“Rec709 Fujifilm 3513DI D65”) を適用するとこんな画像になります。比較として下に LUT 適用前のものを載せています。

6. LUT の前段のノードの調整

 LUT の前のノードで彩度や露出・コントラスト、ホワイトバランスなどを調整します。調整するノードは LUT の前に置いたほうが 破綻しづらいです。

 今回は、①コントラストを少し上げる、②ColorSlice で Saturation をわずかに上げる、③ホワイトバランスの微調整、などを行っています。比較のため、下に LUT 適用のみの画像も載せています。

 なお、彩度の調整は Color wheels よりも DaVinci Resolve 19 で追加された ColorSlice(減法混色で調整する新機能)で調整する方が自然に調整できるように感じます。

2025年5月21日水曜日

DaVinci Resolve で LUT を使う際のポイント

 DaVinci Resolve で LUT の使い方について自分なりに調べたことについて、つらつら書いておきます。

1.LUTとは

 LUT(Lookup Table:ルックアップテーブル)は、画像の色(RGB)および輝度を別の値に変換するための参照表です。カラ―グレーディングや色補正において、ある入力値に対して対応する出力値を置き換える仕組みを提供するものです。

 よく使われているのは 3D LUT というもので、RGB成分を同時に扱い、色相や彩度、色のバランスを包括的に変換します。
 簡単に言うと、(R, G, B) について、(128, 128, 128) → (125, 135, 120) というような対応が大量に記載された表になります。
 要は対応表なので、例えばRGBを各256段階のLUTを作ろうと思うと、256 × 256 × 256 = 16,777,216個の色の組み合わせの対応表が必要になります。

 よく使われる 3D LUTはRGB各33段階のもので、対応表の中間にあたる部分は計算式で補間することになります。この補間式はソフトウェアによって異なるので、同じLUTを使ってもソフトウェアによって微妙に色が異なります。 

2. 使い方のポイント

(1) LUT は ノードツリーの最後の方で適用する

 ルックを作るための LUT を使う場合、ノードツリーの最後の方で適用した方が良いといわれています。大抵の場合、こうしたクリエイティブLUT はノーマライズされた画像に対して適用することが想定されていますし、複数のクリップに適用してルックを統一したい場合、ノードツリーの前半部分で統一した方向性を作っておかないとLUT適用後も統一されたルックになりづらいです。

 また、LUT をノードツリーの初期段階で適用してしまうと、その後の調整が LUT の影響を大きく受け、意図しない色変化やクリッピング(白飛びや黒つぶれ)が発生しやすくなる可能性もあります。LUT を最後の方に置くことで、それ以前のノードで色やトーンの細かな調整を自由に行うことができます。

 実際にグレーディングする際には、ノードツリーの最後の方に LUT を適用したノードを入れておいて、前の方のノードで調整をするようにします。LUT での変換後の画像を見ながら前で調整できるのがノードベースのいいところですね。私の場合、LUT 適用後は色の微調整と、シャープネスやビネット、フィルムグレイン、グロー、ハレーションなどのエフェクトを入れるぐらいにとどめています(グローやハレーションは通常LUT適用後に挿入する方が管理しやすいですが、あえてLUT適用前に挿入するとクリエイティブな効果が得られる場合もあります)。

 自分の場合、LUT を使う場合の基本的なノードの流れとしては、以下のような順序にしています(ノードの流れの順序であって調整する順序ではないです)。

  1. プライマリーコレクション(Primary Correction)
    • ホワイトバランス調整
    • 露出補正・コントラスト調整
    • 彩度調整
  2. セカンダリーコレクション(Secondary Correction)
    • 部分的な色被りの調整
    • 部位の調整(スキントーン・空など)
  3. グロー・ハレーション:
    • 通常は LUT の後に入れるが、LUTによってさらにいい感じに変化する場合もある
  4. LUT適用ノード:
    • クリエイティブLUTの適用
  5. 最終調整ノード:
    • LUT 適用後の微調整(全体的・部分的な微調整など)
    • ビネット、フィルムグレイン、シャープネス、ブラー、グロー、ハレーションなどのエフェクト追加

 なお、カメラメーカーが自社カメラ用にカラースペース変換用のLOG(S-Gamut3 / S-Log3 → Rec.709 / Gamma 2.4 とか)を出していますが、DaVinci Resolve でグレーディングする場合、RCM や CSTを使えばいいので、カラースペース変換に LUT を使う必要はありません。といいますか、LUTを使ったカラースペース変換はデータの丸め誤差や階調飛びが発生しやすく階調表現が劣化する可能性が高いため、使わないほうがいいと思っています。DaVinci Resolve が対応していないものは LUT を使う場合もありますが(規格が公開されていない D-Log M とか)。

(2)Input と Output の カラースペース(Gamut と Gamma)

 DaVinci Resolve に限った話ではないですが、LUT を適用する際には、その LUT が想定している入力と出力のカラースペース(Gamut と Gamma)を確認しておく必要があります。
 例えば、 S-Gamut3 / S-Log3 への適用を想定している LUT を Rec.709 / Gamma 2.4 の素材に適用すると LUT の制作者が想定していない画像になるわけです。

 そのため、基本的には、LUT を適用する際には、Color Space Transfer(CST)を適用したノードを入れて、その LUT が想定しているカラースペースと合わせる必要があります(意図的に合わせない使い道もあるかとは思いますが)。

 具体的なノードの組み立ては後ほど。

2025年5月18日日曜日

DaVinci Resolve のカラーマネジメント設定(RCMのすすめ)

 DaVinci Resolve のカラーマネジメント設定はざっくり3種類あります。

1. DaVinci YRGB
 初期設定。作業するディスプレイのカラースペースの中で、CST(Color Space Trancefer)等やLUTを使う、あるいは自分でコントラストや色の調整を行って、自分でカラーマネジメントする。

2. DaVinci YRGB Color Managed (Resolve Color Management, RCM)
 DaVinci Resolve 独自の色管理システム。Timeline や Input、Output の色空間を一括で管理・変換する。

3. ACES (ACEScc / ACEScct)
 ハリウッド等で標準化されている色管理システム。

 個人的なおすすめは 2. の 「DaVinci YRGB Color Managed」(RCM)です。
 対応しているカラースペースであれば、入力する素材が複数の異なるカラースペースの素材であっても、タイムラインに読み込む際にタイムラインのカラースペースに自動的に変換して扱えるので(基本的にメタデータで判断されますが、うまく読み込めなかった際にはクリップごとに個別に指定することもできます)、ノーマライズにかける手間が少し減ります。
 また、RCM では、「DaVinci Wide Gamut Intermediate」がデフォルトのタイムラインカラースペースとなっています。このカラースペースは、DaVinci Resolve 独自の非常に広い色域をカバーしており、ほとんどのカメラの色域をカバーできるため、編集時の色のクリッピングや階調飽和を防ぐことができます。

 最終出力時も、タイムラインのカラースペースから、Rec.709 Gamma2.4 や Rec.2100 HLG など指定したカラースペースに自動で変換されるので、出力も簡単です。

 設定は、Project Settings の Color Management で行います。
 私の普段の設定は次のような感じ。ディスプレイが HDR 1000 対応のものなので、Timeline working luminance は HDR 1000 を選択しています。

HDR の動画を作成する際は、Output color space を Rec.2100 HLG に設定します。

 SDR 用のディスプレイであれば、Automatic color management にチェックを入れて、Color processing mode を SDR に、Output color space を SDR Rec.709 に設定すればいいかと。

 なお、Output color space といっても、最終のファイル出力だけでなくて、当然のことながらグレーディング中のプレビュー動画にも適用されているので、最終出力を確認しながらグレーディングできます。

2025年5月5日月曜日

DaVinci Resolve 19の「Film Look Creator」のパラメーターの簡単説明

DaVinci Resolve 19 から「Film Look Creator」が搭載されました。
今まで個別のエフェクトで調整していたものをまとめて調整できる感じのエフェクトで、プリセットを選ぶだけで良い雰囲気になるのですが、それぞれ個別のパラメーターの意味もわかっておいた方がいいので、少しだけ調べてみました。

Main Controls

  • Presets: あらかじめ用意されたフィルムルックのプリセットを選択して適用。なお、選択肢のうち Default No Effects は Film Look と Color Settings のみを適用し Halation や Grain などのその他の効果をすべてオフに、Clean Slate はすべてをオフないしは適用量0にする。
  • Color Blend: ベースの Film Lookと、下記 Color Settings や Split Tone で行ったカラー調整との混合度合いを制御。
  • Effects Blend: Halation、Bloom、Vignette などのエフェクト全体の強さを一括で調整。0%で効果オフ、100%でフル出力。
  • 3D LUT Compatible(3D LUT互換): チェックすると、3D LUTに含まれないエフェクトを無効化し、作成したルックを外部へLUTとして書き出しやすくする。

Color Space Overrides

タイムラインのカラー管理設定を手動で上書きするための項目。

  • Input Color Space / Input Gamma: Film Look Creator 適用前の入力色空間とガンマを手動指定。
  • Output Color Space / Output Gamma: 出力先の色空間とガンマを手動設定。
  • Output White Point: 表示用の白色点(例:D65など)を変更。

Film Look

色合いを作るためのもの。

Film Look Blend

Core Look での調整との混合度合いを制御。

Core Look
  • Cinematic
    デフォルトのフィルムルック。程よいコントラストと彩度で、汎用的かつバランスの取れた“シネマティック”な質感。
  • Rochester
    コダック本社があるニューヨーク州ロチェスターに由来すると思われる。コダックフィルムを思わせる豊かな色再現と深いコントラストで、パンチの効いた大胆なルック。
  • Akasaka
    富士フイルム本社がある東京・赤坂に由来すると思われる。柔らかく滑らかなトーンレンジと、落ち着いたパステル調のカラーパレットで、フジフィルムらしいナチュラルな色味を再現。
  • Elated
    明るく生き生きとしたトーンを強調するルック。温かみのある色合いと引き締まった彩度で、映像に躍動感と深みを与える。
  • Vintage
    経年劣化したフィルムのようなノスタルジックな質感を再現。彩度をやや抑え、コントラストはマイルドにフェードさせつつ、ほんのりと色あせたようなレトロ感を演出。
Skin Bias

肌色部分だけ Film Look の影響を減らし、オリジナルの色に近づけることができる。値を高くすると Film Look の影響が少なくなる。

Color Settings

3D LUT互換エリアとしても機能する、基本的な色調整パラメータ群。

  • Exposure(露出): ±5ストップの露出補正。
  • Contrast(コントラスト): Sカーブ全体の傾きを調整し、明暗差を増減。
  • Highlights(ハイライト): Sカーブ上部のロールオフ特性を制御し、ハイライト部の見え方を調整。
  • Fade(フェード): Sカーブ下部のロールオフを調整し、シャドウ部の階調を変化。
  • White Balance(ホワイトバランス): 色温度(ケルビン値)による色補正。
  • Tint(ティント): グリーン/マゼンタのバランスを調整し、蛍光灯など特殊光源下の補正に有効。
  • Subtractive Sat(減法彩度): 減法混色プロセスのように彩度を調整し、フィルムらしい色表現を再現。
  • Richness(リッチネス): すでに飽和した領域に対してのみ減法彩度を適用し、色の深みを強調または抑制。
  • Bleach Bypass(ブリーチバイパス): 彩度を抑えつつコントラストを高めた重厚なブリーチバイパス風ルックをシミュレート。

Split Tone

シャドウとハイライトに補色を加えるトーニング機能(3D LUT対応)。
• Enable Split Tone: on/off。
• Amount: スプリットトーン効果の強さ(適用度)
• Hue Angle: スプリットトーンのハイライト側に乗せる色の色相
• Pivot: シャドウとハイライトの境界(色の適用バランス位置)

Hue Angle が分かりづらいが、この値でハイライト側を指定するようだ。シャドウ側とハイライト側で、補色に近い関係になるように作られているため、Hue Angle を選ぶと、自然にシャドウ側とハイライト側がいい感じに割り振られる。いわゆる Teal and Orange にしたいときは 20°~25°ぐらいかな。

Vignette

周辺減光を再現する効果。

  • Enable Vignette: on/off。
  • Amount: 適用量の調整。
  • Size: ビネット効果が画面内に及ぶ範囲を変更。

Halation

ハイライト周辺のソフトグローを再現する効果。

  • Enable Halation: on/off。
  • Highlights Only: on/off。
  • Amount: 光のにじみ量を制御。
  • Radius: グローの広がりサイズ。
  • Saturation: 色鮮やかさ。
  • Hue: 光のにじみ部分の色味。

Bloom

非常に明るい部分にソフトな光のにじみを追加。

  • Enable Bloom: on/off。
  • Amount(強度): にじみの強さ。
  • Radius(半径): にじみの広がり具合。 

Grain

フィルムの粒状感をエミュレート。

  • Enable Grain: on/off。
  • Preset: 映画フィルム標準を想定した複数の粒子プロファイル。
  • Amount: 粒子の密度。
  • Size: 粒子の大きさ。
  • Softness: 粒子のエッジのシャープネス。
  • Saturation: 粒子自体に色を付ける度合い(0:モノクロ)。
  • Image Defocus: 解像度を擬似的に落とすブラー量。1.000で影響なし。

Flicker

映写機のちらつきを模倣し、映像に揺らぎを追加。

  • Enable Flicker: on/off。
  • Amount: ちらつきの振幅。
  • Rate: ちらつきの周期(Hzに近い感覚)。

Gate Weave

フィルムがゲートを通過する際の微細な揺れを再現。

  • Enable Gate Weave: on/off。
  • Amount: 揺れの大きさ。
  • Rate: 揺れのスピード。 

Film Gate

映写・テレシネ時のブランキング(画面外枠)を表現。

  • Enable Film Gate: on/off。
  • Preset: 各種映画アスペクト比を選択。
  • Ratio H/V: 独自の縦横比を数値指定。
  • Enable Curvature: フレーム角をわずかに丸め、本物のフィルムフレーム感を演出。
  • Padding: ブランキング領域の拡大/縮小。

Global Blend

全体の適用量。

2024年12月15日日曜日

DaVinci Resolve で iPad をリモートモニターとして使ってみる

 DaVinci Resolve でカラーグレーディングをしていると、カラーページのビューアよりももっと大きな表示で確認したくなるときってありますよね。
 デュアルモニターにすればいいのですが、自分の場合、並べて置くところがない。
 全画面表示と切り替えながら使えばいいといえばいいのですが、少しまどろっこしい。

 本体が Mac なら Sidecar で簡単に iPad をサブディスプレイ化できるのですけど、Windows でもどうにかできないか調べてみたら、DaVinci Resolve Stuidio(有料版の方)には iPhone や iPad をリモートモニターとして使う機能がありましたので、試してみました。
 手順は次のとおり。特に難しいこともなく簡単にできます。

  1. iPad(iPhoneでも使えます) で DaVinci Monitor というアプリをダウンロード
  2. アプリを起動し、Blackmagic Cloud にサインイン
  3. PC側の DaVinci Resolve で Blackmagic Cloudにサインイン(Preferences -> Internet Acounts)
  4. PC側の DaVinci Reolsve で Workspace -> Remote Monitoring
  5. コーデックとビットレートを選んで Start Session
  6. セッションコードが表示されるので、iPad側の DaVinci Monitor に入力

という流れです。

 使ってみた感じでは、さほど遅延もなく、グレーディング結果を見るには十分使えます。
 視聴側としてよく使われる端末である iPhone や iPad での表示を確認するという意味でも便利かな、と。

2024年12月1日日曜日

DaVinci Resolve Micro Color Panel を導入

DaVinci Resolve Micro Color Panel
α6700 & Tamron 17-70mm F2.8 Di III-A VC RXD

 BlackmagicDesign DaVinci Resolve Micro Color Panel を導入しました。

 Micro Color Panel は DaVincir Resolve のカラーページに特化したハードウェア製品です。
 USB-C もしくは Blue Tooth で接続します。PC だけでなく iPad でも使えます。

 大量にグレーディングをする訳でもない素人に必要かというと微妙ではありますが、有益か否かという観点であればマウスで操作するよりも作業の高速化に寄与するのは間違いないです。
 何よりこれの良いところは、自分の目を画像に集中させながら操作できることです。マウスだと操作部分と画像との間を交互に見ることになりますが、これを使うと画像を見たまま色を弄ることができるので、わずかな変化をきちんと認識して操作することができます。おまけに全画面表示にしても操作できますしね。
 そして、何より使っていて楽しい。

 iPad版の DaVinci Resolve でも使えるのも良いところで、Speed Editor やキーボードも併せて使うと iPad でもかなり高速に色々と操作できます。

 ちょっぴり残念なのは DaVinci Resolve 専用ということ。これを使って Lightroom とかも操作できるようになると嬉しいのですけどね。
 DaVinci Resolve で RAW現像とかしている方々もそれなりにいるようですが、自分の場合はいちいち DNG に変換してとかは面倒でやってられないなぁ。Sony の RAWファイルをそのまま読めたらいいのですけど。

2024年11月30日土曜日

iPad Pro M4 13inch と DaVinci Resolve for iPad で HDR動画を編集してみる

 iPad Pro M4 13inch と DaVinci Resolve で HDR動画を編集してみました。
 やっぱり HDR は臨場感が SDR よりあっていいですよね。

 自分の持っているPC用のディスプレイは HDR に対応していないので、HDR動画を作ろうと思うと iPad 頼みになります。
 できれば、PC用にHDRディスプレイが欲しいのですが、買うことよりも古いディスプレイを捨てるのが面倒でためらっています。普通に粗大ゴミに出せればいいのですけどね。

 素材は Sony の α6700VILTROX 27mm F1.2 EVILTROX 75mm F1.2 Eを使用し、S-Log3 で撮影したものです。
 短い動画ですし、iPad でも Speed Editor が使えるのでカット編集ぐらいならサクサクです。
 プラグインとかもそのまま使えるものも多いですし(使えないものもある)、iPad版の DaVinci Resolve もかなり有用と思います。
 iPad Pro ってディスプレイ表示が綺麗なので、使っていて気持ちいいですしね。

2024年11月9日土曜日

[4K] American Shorthair with A6700 vol.5

 Sony の α6700VILTROX 27mm F1.2 EVILTROX 75mm F1.2 ESigma 70mm F2.8 DG MACRO Artなどで撮影。

 今回は、彩度高め、コントラスト強めに色調整してみました。これはこれでありな気がする。

2024年11月4日月曜日

Windows 11 の DaVinci Resolve で Speed Editor が使えなくなったときの対処法

DaVinci Resolve Speed Editor
α6700 & VILTROX 27mm F1.2 E

 Speed Editor が DaVinci Resolve で使えなくなるときがある(Windows のデバイスとしても認識されているし、DaVinci Resolve のコントロールパネルからも認識しているのに、なぜか使えなくなる)という謎現象がようやく解決しました。
 元々 Speed Editor は DaVinci Resovle 専用のハードウェアで他のソフトウェアでは使えない仕様であり、DaVinci Resolve で使えなければ何の役にも立たないので(iPad のDaVinci Resolve では使えるとはいえ)、実に嬉しいです。

 日本語の情報では見つからず、海外の Blackmagic Forum でようやく探し当てました。
 結論から言うと、”Logitech LampArray Service” との相性が悪いようで、Windowsのサービスからこれを無効化すると問題なく使えるようになります。
 このサービスは Logicool 製品用の Windows の動的ライティング設定に関係するサービスのようで、私は Logicool の G502 というマウスを使っているので、おそらく Logicool G HUB をインストールしたときに入ったもののようです。
 なお、”Logitech LampArray Service” を無効化しても、とりあえず G502 は使えます。

2024年10月27日日曜日

[4K] American Shorthair with A6700 vol.4

 Sony のα6700VILTROX 27mm F1.2 EVILTROX 75mm F1.2 ESigma 70mm F2.8 DG MACRO Artなどで撮影。
 今回も DaVinci Resolve 19 で Film Look Creator を使っています。全体のトーンを合わせるにはとても便利。

 Sigma 70mm F2.8 DG MACRO Art はインナーフォーカスではないし、AF速度も速いとは言えないけれど、その分、画質に関しては実に素晴らしいです。ネコの瞳を撮ると、実に美しく映ります。

2024年10月20日日曜日

[4K] American Shorthair with A6700 vol.3

 Sony のα6700VILTROX 27mm F1.2 EVILTROX 75mm F1.2 Eなどで撮影。75mmの方はAmazon でプライム感謝祭セールやってますね(15%引き)。フルフレーム機ほどボケない・暗所に強くないAPS-Cの機種にとって、特に室内撮影のときには大口径レンズはとてもありがたい存在です。

 今回は、編集時に DaVinci Resolve 19 の新機能の Film Look Creator を使ってみました。クリップ単位で色を調整したあとに、タイムライン全体に Film Look Creator を適用しています。
 この Resolve FX はパラメーターがとても多くて、まだまだ手探り状態です。

2024年10月14日月曜日

[4K] American Shorthair with A6700 & VILTROX 27mm F1.2 E vol.2

 VILTROX 27mm F1.2 E を愛用中。APS-C向けのレンズこそ大口径が必要なのです。

2024年7月14日日曜日

Blender と DaVinci Resolve で HDRアニメーションを作成してみた

※HDRに対応したディスプレイで観てください。

 BlenderはOpenEXR形式で出力することができます。
 OpenEXR形式というのは、高ダイナミックレンジ(HDR)のイメージ ファイル形式です。ちなみに、Industrial Light & Magic 社が開発したらしい。

 先日ののアニメーションを作成したとき( ColosoのBlender講座『Blenderシェーダーとノードの活用法』を受講してみた)、この形式を利用すればHDRのアニメーションにできるのではないかと思って、レンダリングをOpenEXR形式で出力しておきました。

 具体的には、Outputプロパティで File Format を OpenEXR、Codec を DWAB、Color Mangement を Overwride にして Color Space を Rec.2020 にしてレンダリングしています。
 Codec の DWAB は 不可逆圧縮ですが、可逆圧縮だとファイルサイズが大きくなりすぎるのでこれを選択しました。個人的には画質面でもこれで特段不満はないです。

 あとは出力された連番ファイルを DaVinci Resolve で読み込んで、動画ファイルに編集すればよいのですが、私のPCモニタはHDRに対応していないので、iPad Pro の DaVincir Resolve を使っています。

 DaVincir Resolve でのカラーマネジメントの設定は次のようにしてみました(これが正しいのか確信は持てないのですが)。
 カラーサイエンスを DaVinci YRGB Color Managed 、カラー処理モードをカスタムにして、入力側のカラースペースをRec.2020 Gamma2.4 に設定。
 また、タイムラインはカラースペースは DaVinci WG / Intermediate に、出力側はカラースペースをRec.2100 HLGにしています。

 あとはレンダリングしたOpenEXRの連番ファイルを読み込み、カラーページで彩度と輝度を簡単に調整。
 出力は、MP4、H.265です。

2024年7月6日土曜日

ColosoのBlender講座『Blenderシェーダーとノードの活用法』を受講してみた

ColosoのBlender講座『Blenderシェーダーとノードの活用法』の受講を完了しました。全100講ということでかなりの時間がかかりましたが、コツコツとやりとげました。

 シェーダーノード、ジオメトリノードを体系的にかなりしっかりと学べるので、お勧めです。個別のノードの使い方だけでなくて、最後に、アニメーションを一本作るのもよいですね(上の動画)。ノードだけでなく、最後のアニメーションを作る手順もかなり勉強になりました。

 注意点ととしては、講座で使用されているBlenderのバージョンが3.5なので(シミュレーションノード部分は3.6β)、現在の4.1とは少々異なる点があります。4.1では廃止になったノードとかも扱われているので、そこは代替手段を自力で調べる必要があります(検索すればすぐに見つかりましたので大した問題はないかと)。

2024年5月31日金曜日

ColosoのBlender講座『Blenderのジオメトリノードで表現するVFXアニメーション』を完了しました

 ColosoのBlender講座『Blenderのジオメトリノードで表現するVFXアニメーション』の受講を完了しました。
 講師は金澤ひろしさんで、4月12日に前半部分、後半が5月16日に後半部分が公開されたところです。面白かったので一気に終えてしまいました。
 全部で2本の動画を作るのですが(1本目に作成したものは「ColosoのBlender講座『Blenderのジオメトリノードで表現するVFXアニメーション』を始めてみた」に掲載しています)、ジオメトリノード自体の解説というよりも、具体的な表現を作っていく過程でどういう風にノードを組み立てていくか説明していく感じの進め方です。

 講座では After Effect を使ってBlender でレンダリングした動画をコンポジットしていましたが、私は After Effect を持っていないので、DaVinci Resolve を使って編集しています。なので、こういう絵を作っていく、というところだけ参考にして、やり方はまったく別の方法をとっているところも多いです。
 私の拙いDaVinci Resolveの知識でも(多少検索して調べはしましたが)、まぁ、だいたい似たようなことはできたので、Fusionとかしっかり使えるような詳しい方ならきっともっと色々とできるだろうな。

 今回は音声なしですが、そのうち効果音とかもつけてみたいですね。

2024年4月20日土曜日

ColosoのBlender講座『Blenderのジオメトリノードで表現するVFXアニメーション』を始めてみた

 ColosoのBlender講座『Blenderのジオメトリノードで表現するVFXアニメーション』を始めてみました。
 講師は金澤ひろしさんで、4月12日に前半部分が公開開始されたばかりの(後半は5月16日公開予定)、まだ新しい講座です。

 Section3 まで終えて、短いアニメーションを1本作り終えました。内容的にはまだジオメトリノードの入口って感じですが、それでも色々と学ぶことがありましたね。

 講座では After Effect を使ってBlender でレンダリングした動画をコンポジットしていましたが、私は After Effect を持っていないので、DaVinci Resolve を使って編集してみました。
 音楽は、Youtube Studio のオーディオライブラリから適当な音楽を見繕って使っています。当然のことながら尺が合わないので、リズム的に切れそうなところで切れ目を入れて間を削除して良さそうな部分をツギハギしてから、継ぎ目にFairlight でオーディオトランジッションのクロスフェードをあてています。リズムさえあってればあまり違和感なく繋げます。音声もまとめて処理できるのが DaVinci Resolve のいいところですね。

 また、せっかくなので、DaVinci Resolveの「ハレーション」や「アパーチャー回折」などのエフェクトを使って少し画面を派手にしたり、HUDのアップ部分でウィンドウとブラーを使って擬似的に被写界深度を表現したり(これは講座内のAfter Effectでの内容を真似してみました)、動画の最後に文字を入れたりしています。参考にDaVinci Resolve 側で何もエフェクト処理をしていないものも下においておきます。

 ちなみに、講座内でBlenderだけで複数のカメラをまとめてレンダリングする手法が紹介されていますが、Blenderでのバッチレンダリングは「Batch Render Creatorという無料のアプリを使うのが便利でおすすめ。特にカメラによってレンダリングするフレームを変えたり、オブジェクトの表示状態を変えたりするような場合は、Scene分けしてScene毎に設定しておいて、後でまとめてレンダリングなんてことも簡単にできます。

2024年1月21日日曜日

α6700 4K 120FPS撮影 スローモーション 

 α6700の良いところとして、4K 120Pでの撮影が可能なところがあります(画角はクロップされますが)。

 上の動画は、S&Qモードの120FPS撮影したものを24FPSで再生してるので、5倍スローになります。
 120FPS撮影なので当然シャッタースピードは速いですが、24FPSでの再生でも違和感なく滑らかに再生されているように感じます。スローモーションだからそう感じるのですかね?
 
 FHDだと240Pで撮影可能とのことなので、そのうち試してみたいですね。