2010年3月1日月曜日

作者の魅力をいろいろ味わえる作品集『分解』 酒見賢一

都市の風景
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 酒見賢一は、個人的にとても好きな作家である。作者名を見ただけで購入している数少ない作家の一人だ。『墨攻』のようにとても端正な文章で書かれた伝統的な小説から、『聖母の部隊』のようにある意味では実験的な小説まで書いており、正直、好みに合う作品と合わない作品があるのだが、それでも買ってしまう。
 この文庫本は、表題作の『分解』など雑誌掲載後に単行本へ収録されないままになっていた5本の中短編の他、『ピュタゴラスの旅』、『エピクトテス』、『童貞』を加えた作品集。かなり実験的色彩の強い作品から歴史上の人物を題材とした端正な小説までそろっている。ある意味では、作者の魅力をいろいろと味わえる作品なのだが、まぁ、一部は読むのが辛いものもあるともいえる。


分解

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