恐らくまだほんの一部でだと思うのですが、ラズパイ・オーディオなるものが流行の兆しをみせています。
Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)というシンブルボード・コンピュータを使い、オーディオ(主にNASを使ったネットワーク・オーディオ)を楽しもうという取組です。あまりお金をかけずにそれなりに高品質な再生環境を構築できるのがいいところです。
なかなか面白そうな分野なのでネットで情報を集めつつ検討してみたのですが、「Tinker Board + USB-DAC の方がいいのではないか」、という結論に達しました。
世間的には「Raspberry Pi + DAC拡張ボード」が主流になりつつありそうな気配がありますが、少なくとも今の段階では、こちらの方が音質・使い勝手とも良いように思います。
「Tinker Board」というのは Asus のシングルボード・コンピュータで、Raspberry Piとサイズや端子類(GPIO、LAN。USBなど)の位置を揃えており、Raspberry Pi用のケースや周辺機器をそのまま装着できるようになっているのが特徴。そしてRaspberry Piより高性能で(CPUなどの演算速度など)、その代わりに値段が少々高い(といっても1万円もしませんが)。
ただし、SOCが違うので、Raspberry Pi とのソフトウェア上の互換性はありません。
Raspberry Piに比べたTinker Boardのメリットは、主に2つ。
- 演算速度やUSB、LANでのデータ通信がRaspberry Piより高速であり、各種動作が速い。
- USBとLANのバスが別々なので(Raspberry PI はEthernetのトラフィックがUSBのバスを経由する)、USB-DACでの音質の向上が期待できる
といったところです。
ちなみに、オンボードの3.5mmヘッドホン端子からの出力もまるで違いまして、Raspberry Piのオーディオ出力はかなりプアですが、Tinker Boardは192kHz/24bit対応のオーディオチップが積まれており、USB-DACを使わなくてももハイレゾ音源を再生できたりします。もちろん、専用のUSB-DACの方が高音質ですが。
Rasberry Piと比べたデメリットは
- Tinker Board の方がやや高価。
- Rasberry Pi の方が圧倒的に普及しており、使えるソフトウェアが多彩。
- 発熱が多い。
といったところでしょうか。
2.が一番の問題なのですが、幸いRaspberry Piでも有名なVolumioという音楽再生に特化したOSがTinker Board用にもありますので、とりあえず大丈夫です。
Tinker Boardで高音質な音楽を楽しむには、Raspberry Pi と同様、DAC等の機能を搭載した拡張ボードを使う方法と、USB-DACを繋ぐ方法が主なものとなります。
現状で販売されている拡張ボードはまだまだ発展途上であり、高音質だけど半完成品でハンダ付けが必要なものだとか、完成済みだけど音質がいまひとつだったり対応するフォーマットが限られていたりとか、なかなか適当なものが見つかりません。加えて拡張ボードを取り付けたときのケースのことも考えると、全部合わせるとそれなりのお値段になってしまいます。
一方、USB-DACは既に成熟した市場になっており、ソフトウェア側で対応してるかの確認は必要ですが、ほどほどの価格で優秀な製品を見つけられます。
今回選んだUSB-DACはiFi Audioの「micro iDAC2」です。今回は中古品を購入。程度のよい中古品がそれなりに供給されているのが成熟市場のよいところです。
ifi Audioですと「micro iDSD」シリーズの方が有名ですが、ライン出力に限ってはこちらの方がアナログ回路部分が強化されています(ヘッドホンアンプとして使うのなら「micro iDSD」シリーズの方が良さそうです)。
iDAC2はiDSDシリーズとは異なりバッテリーを積んでいない、据え置きタイプのUSB-DACで(ヘッドホンアンプとしても使えます)、2015年7月発売と少し古いモデルですが、DSD256(11.2MHz~12.4MHz)、PCM384KHzまで対応しています。ライン出力目的のUSB-DACとしてはなかなか高音質て価格もお手頃です。
ちなみにDACチップはバーブラウンのDSD1793という公式にはDSD64(2.8MHz)、PCM192KHzが上限のものが使用されているのですが、いったいどうやって限界を超えているのでしょうね。
長くなったので、実際の設定などは次回。
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